こどもとおとなのための舞台(マイム)カンパニーデラシネラ最新作「ゲーム」小野寺修二/デラシネラ

さあ、ゲームが始まります。
いつもと変わらない朝。
でも、なぜか時計が止まっていた。
僕は時計のネジを巻きます。
すると、ネジ音とともに目の前をものすごい速さで汽車が通り過ぎた……。
小野寺修二久々のオリジナル新作。
マイムという言葉を超えた身体表現で不思議な世界へ誘います。
さあ、あなたもゲームの参加者です。
振付家:小野寺さん

その瞬間その瞬間を、生きる


こんにちは。小野寺修二です。
ぼくはもともと、パントマイムをやっていました。
今はマイムの考え方を元に、舞台で作品をつくっています。

みなさんはパントマイムを見たことがありますか?

マイムは言葉を使わずにやるので、難しそうと思うかもしれません。
でも普段の生活で、言葉を使わずに過ごす時間は、意外にたくさん
ありそうです。
「あの人 機嫌悪そう」とか、
「この人 嬉しそう」とか、
「しめしめ」とか「ワクワク」とか「ドキドキ」とかは、
きっと言葉を使わなくても、感じ取っているものだと思います。
こう感じているのかもな、こうして欲しいのかな、
もしかしたら違うかもしれないけど私はこう思った、というのが、
僕は好きです。

昔、ロボットと一緒に舞台に立ったことがあります。
ロボットは、プログラムされたことは間違えないし、決して忘れません。
演技の掛け合いの間も、必ず守ります。
でもある時、カーテンコール(劇の最後に、出演者みんなが舞台に出て、お客様にお礼をします。)で、いつもより少し遅れて照明が点いたら、
ロボットはもう、お辞儀を終えて帰り始めていました。
頭が良いって、なんでしょう。
言葉だけではなく、私たちはいろいろなことから感じ取っています。

今回のテーマは「時間」です。
一定方向に規則正しく流れているはずの「時間」ですが、
あっという間に過ぎたり、妙に重苦しく感じたり、
僕にとって、いつまで経ってもさらさらと流れてはいきません。

僕はそのことを面白いなあと思っていて、
例えば、今ここにいたのに、次全然違う場所にいた、とか、
急に周りがグニャーとねじれる、とか
そういうことを、舞台で身体を使ってやりたいです。
時間は伸び縮みをしているみたいです。

折り紙の帆掛け船で、帆先を持っていたはずなのに船尾を掴んでいる、
そんな感じで時間を飛び越えても、
その瞬間その瞬間を生きていられたら、
流れに関係なく、「時間」を自分のものに出来ると思っています。

みなさんからどんな反応が返ってくるのか、
どういう声を聞けるのか、自分にとっても楽しみです。

チケット、そのほか詳細情報は、KAATのサイトへ